西門には
「大日本佛法最初四天王寺」
という大きな石柱が建てられています。
ごちゃごちゃした大阪界隈にあるからか、
新興宗教の過剰アピールのようでイカガワしくも思えますが、
仏教伝来の初期、政権を争う厩戸皇子の戦勝祈願成就が起源といわれますから、
ここが日本最古級の寺院であることは間違いありません。
中央の伽藍はすべて鉄筋コンクリート製です。
これも、なんだか有り難みの薄れる事実ですが、
大阪大空襲の後、天王寺を含む大阪中心部は
全て焼けて、まさしく灰燼に帰したそうですから、
「もうやけr」
再建が木造でなされなかった理由もまた、
歴史的な意味をもつのでしょう。
飛鳥時代に建立された当時の姿を再現しようと
相当な研究の上で設計され、
着工から完成まで6年もかけて丁寧に作られているそうです。
ちなみに創建当時の宮大工は百済から招いたそうですが、
彼らはそのまま日本に帰化し定住しました。
驚きなのはその子孫達が脈々と宮大工の仕事を受け継ぎ、
新世紀を14回も廻って今日に至るまで
この四天王寺を守り続けていることです。
残念ながら今世紀初頭に経営破綻し大手ゼネコンの子会社になりましたが、
一族の名を冠する「金剛組」の名は今でも生きていて
「世界最古の企業」ということになっています。
世界初の株式会社はご承知の通り17世紀の「東インド会社」。
6世紀の飛鳥時代に「企業」の概念があったとは思えませんが、
続けていたら後から呼び名がついてきた、ってことですかね。
侮れません、四天王寺。
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