爆音と粉塵をまき散らしながら
大型トラックが往き交う府道46号線の脇に
小さなせせらぎに沿って
まるでぽっかり森にあいた秘密のトンネルのように
尾根を這い登るむかし道の入り口があります。
「武士自然歩道」と記された立派な道標とは裏腹に、
しっかりとした靴がなければ踏み込むのをためらうほどに
急で荒れたその坂道を、一苦労して登った先に
現れるのがこの滝です。
不思議なことに、
つい今しがた別れてきた府道の喧騒は
一切とどかず
枝に羽を休める小鳥たちのさえずりの間に
涼やかな滝の水音が滲みていきます。
足の速い若者ならば
一瞥もくれることなく通りすぎてしまうかもしれない
田舎の片隅の小さな滝ですが、
その名は「竜仙の滝」。
信じて願えば叶えてくれるかもしれません。
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