アワイチ!


連ドラウケがウケている朝の人気情報番組とは一字違いですが、とくに関係があるワケではありません。「自転車で路島を周すること」の略でアワイチ。琵琶湖のビワイチと並び関西のサイクリストなら知らぬ者なき定番チャレンジのことなのです。

ちなみに同じ一周モノでは「佐渡ロングライド210」など全国的に有名なイベントが開催される佐渡島、これは「サドイチ」なのかというとさにあらず、どころかそれらしい略称すら聞いたことは無く、してみると「アワイチ」のネーミングは某ハンバーガーショップを「マクド」、USJを「ユニバ」、カーネルおじさんのフライドチキンに至っては単に「トリ」と呼ぶイラチな関西人の短縮癖によるのかもしれません。

さてそれはともかく、このところアツいだの雨だの風だのと理由をつけてあからさまにサボり続けて月日が流れ「そろそろちゃんと走っておかないと」といつもの坂道を登ってみたら呼吸困難になるほどカラダがヘタリ、これはイカンと一念発起、ちょうど秋らしくなってきた気候にも後押しされて3週ほどトレーニングを続けてようやくそれなりにコナせるほどに回復してきた頃、そういえば琵琶湖佐渡しまなみ海道もやったけど「アワイチ」が残ってたなと思い出し、行ってみることにしたのでした。


明石港7:00発の高速船「ジェノバライン」に乗って淡路島へ。徒歩では渡れぬ明石海峡大橋をくぐり抜け、たった15分で岩屋に着きます。乗客の半分程はジャージにヘルメットのサイクリスト。ウワサに聞く「アワイチ」人気の高さを改めて実感するのでした。


港に着いておもむろに自転車を走らせ始めるとイキナリ海に出て、この先ほとんどが波の砕ける音を聴きながらの海岸線クルーズ。気持ちいいったらありゃしません。船内での情報収集によるとチャレンジというより日常的にここを走るツワモノが、それも相当数いらっしゃる模様。まあ、これほど気持ちよいコースが日帰り範囲にあれば、アタシだって通いたい。毎度早起きできるなら、ですが。


50kmほど行って南あわじに入ると、距離は短いですが登りがいのある坂道が幾つか出現します。走り慣れたお兄さんたちが猛ダッシュで追い抜いていくのを横目で見ながら、ようやくマトモな走りを取り戻し始めたばかりで失速のオソレがあるカラダをイタワりつつユルユルと登って行くと、眼下にキラキラ光る海の波。向こうにうっすらと見えるのは紀伊半島でしょうか。ううむ、美しい。


さらに走って本日の飯どころ、福良のうずしおドームへ到着。駐車場には大型観光バスが何台も乗りつけるほどの大盛況です。


それもそのはず、ここはかの有名な鳴門の渦潮を愛でることができる、2隻の定期クルーズ船の母港。
この船がまた「日本丸」「咸臨丸」のレプリカっちゅうことで、なかなか凝った造りになっとります。渦潮抜きでも乗るだけで楽しくなりそうですね。


さて、淡路島の南端から四国へ渡る大鳴門橋が見えれば、ここからが折り返し。案の定に重くなり始めた足をダマシダマシ、帰路にかかります。


相変わらず心地よい波の音とともに海岸クルーズが続くのですが、ああまったく、こんなに贅沢で気持ちよいツーリングだというのに、ヒトのゴウの深さと申しますか不遜といいますか、黙々とペダルを漕ぐことに少々アキがきて苦しくなり始めてしまいました。こうなってくると、道を楽しむことよりメーターの残距離のほうが気になりだします。なんともかんとも勿体なくて愚かしい。そこでしばし足を止め、コンビニにピットインしてシュークリームをひとかじり。落ち着いたところで、そんなに急がなくってもちゃんと帰れるのだから、と考えなおし、ノンビリと行くことにしました。まあ要するに「疲れてペースが落ちた」ってだけのハナシですけどね。

ちゅうわけでこのとおり、無事に「アワイチ」を描きあげ、久々に自転車ネタを仕入れることができました。めでたしめでたし。




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