新京極界隈

学生だった僕は、毎朝阪急電車に乗って京都に通っていました。
阪急の京都線は京都の最東端にどどんと社地を構える八坂神社に遠慮してか、鴨川を越えずに手前で線路を止めてしまい、終点にしています。

その終点の駅は「河原町」という名前でした。

電車が止まる駅に町って名前がついているのだから当然この辺りは河原町という町なのだろうとぼんやり思い込んでいたところ、ある時北側にも河原町という住所がある事を知り、「京都にはいろんなとこに河原町があるんやな。」とうっかり大学の友人に話したら、とたんに眉をひそめて
「何言うてんねん、河原町通りはひとつだけやがな。」
と何のツッコミもなく返されました。

なるほど河原町とは通りの名か、と得心しましたが、友人は相変わらず怪訝な表情を続けているので京都の通りは碁盤の目、整然と整備されているのだよと誰かに教えられたのを思い出し、碁盤の目ならば数字だろうから

「京都の通りは一条とか二条とか数字がついてるもんと思うてたし」
などと言い訳を言ってみたら

「それは東西やし、数字だけちゃうし。ほんま、おまえ、どおやって大学通うてんねん。」
と、今度は本気であきれた顔になりました。

「電車で、」
なんてボケたら口をきいてもらえなくなりそうなのでやめときましたが、東西南北の交差点から上ルとか東入ルとかの方向をつけた住所のほうが町名や番地よりも当たり前に使われてる京都です。
京都で生活してるくせに通りの名前も知らないなんて、とは、その友人ならずとも当然の反応でしょう。

その後、若干の反省とともに大きな通りの名は覚えましたが、小さな路地の名前まで覚える根気も必要もなかったので未だに京都の通りの名前は不得手です。

「新京極」もその一つで、名前が似ているので僕はついつい「西京極」の近所をイメージしてしまっていますが、西京極と新京極はそれこそ西と東に別れていて全然別の場所にあります。(ま、こんなことをかの友人に話したら、また呆れられてしまいそうですが。)

この通りは京の街を縦に貫いている訳ではなく、北は三条通りから南は四条通までの500mほどの短い通りですが、平日でも人通りの絶えない誠に賑やかな商店街です。

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商店街のお店の隣に、いきなりお寺の山門が現れるのも京都ならでは。

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ちなみにここ、間口は狭いですが家康が上洛する時には常宿にしていた由緒正しいお寺だそうです。

新京極通りのとなりには寺町通りがあって、ここも負けず劣らず賑やかな商店街。
その名の通り元はお寺の門前通りで、アーケードの前に鳥居が建ってたりします。


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アーケード前の鳥居の端がビルに埋まってるみたいに見えますが、、、、
いえ、本当にビルの壁に突き刺さっているんですけどね!

設計ミスか計測ミスか、はたまたワザとやってるのかは定かではありませんが、京都の人は新参者のために鳥居様をどかせる選択はいたしません。
ビルを建て替えられないなら、いっそ端っこを壁の中に埋めちゃえということで、今の形になったそうですよ。


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寺町通りを直角に曲がると、今度は東西に錦通り。
京都の台所と呼ばれる一大食品市場ですが、通りはこんなにせせこまい。
食べ物と景気のいいかけ声につられてどんどん奥へ歩いていくと、いつの間にやら別の通りに出てしまって
あれれ、ここはいったい何処?
そんな時は、おまじないの数え歌。
「まる たけ えべす に おし おいけ~。」「あね さん ろっかく たこ にしき~。」
ああ、錦通りね。

ちなみに、南北通りの数え歌は知らないので、やっぱり場所はわからないままです。







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