爬虫類に出くわした時になぜだか心がざわめくのは、
遠いご先祖様がまだ小鼠だった頃
彼らに追い回されたトラウマが
DNAに染み付いているからだとか。
それほど憎き祖先のカタキのはずですが、
現代の子どもたちには大人気。
国立科学博物館で開催中の大恐竜展も
たくさんの可愛らしい歓声で
溢れていたのでした。
その人気にあやかってか
恐竜と名のつくイベントは数多ありますが、
さすがに国内最高峰の博物館、
ここに展示されている恐竜たちはレプリカなどではなく
ゴビ砂漠から掘り出された実物なんだとか。
金属の芯でポーズを付けられた巨大な化石を
食い入るように見つめていた小さな男の子が
ネームプレートに書かれた文字を指でなぞりながら
舌を噛みそうなその名前を
繰り返し呼び続けていました。
そんな中、十数頭分の小さな子どもの骨が
折り重なるようにして埋もれた化石も
ひっそりと展示されていました。
ここにあるのは作り物や想像ではなく、
何奥年か前に確実に起こった事件の残像です。
彼らとは時間も血統もあまりにかけ離れた我々ですが
眺めていると何故か心がざわめきます。
それはたぶん、ご先祖様に刻まれた恐怖の記憶とは
また違うところから来ているものなのでしょう。
シリーズ:国立科学博物館
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