夕刻の高台寺あたり 


紅葉盛りの高台寺境内が
ライトアップされていると聞き
それはさぞ美しかろうとやって来たのですが
考えることは皆同じと見え
門前はすでに長蛇の列で埋められておりました。

あの列に加わった自分を想像すると
まるで
緑藻でびっしりと水面を覆われた池に
放り込まれた金魚のような気分になって
口をパクパクさせる真似をしていたら、
とうとう本当に息苦しくなってきたので
諦めて近所をブラブラすることにしました。

まあ、近所といってもそこは祇園なので、


こんなふうに趣きのあるお店がそこかしこにあるし、


町家の障子から漏れる明かりに和まされ。


見上げれば坂の上の八坂の塔に出会えるし、



駐車場脇にひっそりと建つ
仄かに照らしだされた鐘楼の鐘を眺めて
なにやら厳かな気分にもなれます。



そういえば、高台寺は豊臣のねね様のお寺。


となれば
門前のみやげもの屋の軒先で
大事に草履を抱いているのは
かのお殿様ということでしょうか。

ふふ、あまりに可愛らしくて
頬が笑みで緩みそうです。

・・・・・

と、いうわけで
始めのアテはハズレたけれど
外を回ってそろそろネタも溜まり、

「今日はこのくらいにしといたろか。」

金魚ではなく
「池のメダカ」
だったという
関西ローカルな上に昭和ネタの
あまりウマくないオチとなりました。


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