万博公園正面入口の売店横。
去年までは、そこにありました。
ゴロン、と出てきたカップラーメンに
自販機内蔵の給湯器からお湯を注ぎ、
これまた付属の透明プラスチック製フォークで
ズルズル麺をすすりながら会場を歩く、
チューリップ裾のジーパンと
もじゃもじゃ長髪が最先端だったあの時代。
万博が終わり熱が冷めてみれば、
フォークでラーメンは食べづらいし
歩きながらなんてもっと無理がある、
というアタリマエのことに皆が気づいて
あの自販機の華々しい姿は
巷の街角から徐々にその姿を消していきました。
カップラーメンに
コンビニという最高のステージが用意されてから
もう幾年月。
とうの昔に役割を終えて
色あせたその姿を
ずっとここに留めていたのは
「この場所が原点だから」
というコダワリかと思っていましたが。
今年、再び行ってみると
そこはもうすでに
最新型の飲料水販売機の場所でした。
彼はひっそりと、いなくなりました。
でも僕は、
この先ここへ来る度に、その姿を思い出すことでしょう。
いなくなることでまた始まる、
新たな意味。
覚えている人たちだけのための
モニュメントとして。
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