お先に紅葉、八ヶ岳



どっかりと腰を据えて動かずにいた残暑が

山手線で駅を幾つか寝過ごしたのに気づいて
慌てて閉まりかけたドアから駆け出る人のようにいなくなり、


忘れていた秋の風が漸く戻って来ました。

秋といえば、そう、紅葉。

一昨年は穂高へ行ったっけ、
去年は京都だったよな
とか

考えていたらお尻がムズムズしてきたので
八ヶ岳まで出かけることにしました。

で、テントを担いで
南から山稜を延々と歩いたわけですが
その話は後に置いといて、

何はともあれ白駒池。

夕暮れが迫り、
疲れと焦りが歩き詰めの足をさらに重くし
鬱蒼と茂る森が何処までも続くような錯覚に囚われはじめた頃、
最後の木々の間を抜けた先に
とつぜんの奇跡のように広がる静かな水面。

その水面をに映る木々の色が、
夕日のかわりに暮れゆく空気を染めていたのでした。






白駒池は、
実は夏に自転車でやってきた麦草峠のすぐ隣。

要するに、
その気になれば車でアクセスできる場所にあるんですけど、
苦労して岩山の稜線を歩き、さらにその先の森を歩ききって
目にするこの光景はやはり別物なんですね。

それは多分に自己満足で
ナルシスが自らを映した池も
きっとこんなふうなんでしょ、とも思いつつ
不覚にもニヤける口元を抑えることもできずに
池を眺め続けたのでした。



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