硫黄岳



翌日は日の出とともに赤岳鉱泉を出発し、
白駒池を目指す8時間の行程。

テントと炊事道具一式を詰め込んだ上に
欲張って一眼レフとか交換レンズとかまで
積んでしまったおかげで
72㍑の大容量ザックが一杯になってしまい
まるで(実際に担いだことはないけど)
米俵を担いでいるよう。

いまさら
「冬でもないのにこの装備は無いだろ」と呟いてみても
ちり紙ひとつ落としてもマナーを問われる山の上に
要らない荷物をぶちまけて去るわけにも行かず、
それに考えてみれば
要らない荷物は自宅に置いてくれば済むわけで
「無いよりあったほうがいいよね。
重さは...ま、なんとかなるでしょ」
なんていう、
つい昨日の自分のセリフを本気で恨めしく思いつつ
持ってきてしまった以上担いで歩くしかありません。

次は一回り小さいザックを用意して
荷物をコンパクトにしなくちゃ。
・・・・・
あ、水を積むの忘れてた。



行程が長いので寄り道してる余裕はありません。
キャンプ場を出てそのまま真っすぐ硫黄岳へ上がります。

すでに高度は2000mを超えているので樹木の背は低く
じきに森林帯を拔けて見晴らしのいい稜線へ出ます。



気温が低くなり始める
今の季節は空気が澄んで空の色が明るく見えます。
天気もいいので主峰の赤岳がくっきり、
その青空に映えていますね。



硫黄岳から横岳へ続く主稜線は平べったい上に
気流の関係でここらあたりは
ガスに捲かれて前が見えなくなることが多いため
ルートにそって整然とケルンが積まれ、
山人を導いてくれます。

奥秩父連山のシルエットが美しい。



ガレ場を下るとすぐに夏沢峠につきます。

ここは南八ヶ岳と北八ヶ岳の分岐点。
まさしくこの峠を境に、ガレ場の白から土の黒へ
稜線上の道の色がガラリとかわります。

夏沢、という名前のせいなのか、
山小屋は夏の間しか営業していません。




東に少し下ると本沢温泉、
「日本一高い場所にある露天風呂」
で有名なのだそうです。

確か、舗装はされてないけど側まで林道が来ていたような.....。

ただし「温泉」と云えど八ヶ岳山域のど真ん中です。
普通の温泉宿を想像していると
裏切られるに違いありませんが、
それでも興味のある方はお試しあれ。


シリーズ:八ヶ岳縦走


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