そして北八ヶ岳



夏沢峠を過ぎ、根石から西天狗を越えてしまうと
稜線は柔らかな丸みを帯びた優しい形に変わります。

しかし稜線が丸いからといって
登り下りが楽になるわけではありません。
森が深くなる分、木の根の段差やぬかるんだ土道が増えて
かえって厄介なこともあります。



学生時代の昔と比べると
登山道は綺麗に整備されて歩きやすくなった印象を受けますが、
歩くスピードはおそらく半分以下。
(あの当時はほとんど走ってましたからね。)

背中の米俵(72㍑の詰め詰めザックのこと)が
ナケナシの体力をジリジリと削ぎとり
歩速はどんどん遅くなって、
ついにキャンプ場への到着予定時刻が過ぎても
まだ行程の1/4弱が残っているという状況。

まあ、こうなることは前日荷物を担いで
歩き出した時から予想はしてましたけどね。
計画をたてる段階で、
体力の衰えをついつい控えめに考えてしまった結果であります。
見たくないものに目をつぶっても、
結局現実は変わらないという
いい教訓を頂きました。
(この教訓はナカナカ活かされない、
ということもすでに経験則として理解していますが
これを分析して改善する努力は未だになされていません。
痛い目を見てもすぐ忘れる、というのは、これまた
喉元なんとかということわざになるほど古典的な教訓であります。)

何はともあれ、日暮れ前になんとか白駒池に滑り込み
めでたく紅葉を愛でることができたのでした。



翌日も朝から快晴、
振り返ると木々の間から見える
秩父連山が雲海に浮かんでいます。

幸いにも昨日のダメージはさほど残っておらず
行程も4時間弱なんで、ルンルン気分でピッチを伸ばします。



縞枯山頂上付近から見る赤石山脈と木曽山脈のシルエット。



そしてロープウエィの山頂駅。

昨日の今日で学習効果がありありと残っているため
自力で降ろうという意地はあっさり捨て
そそくさとゴンドラへ乗り込んだのでありました。


シリーズ:八ヶ岳縦走


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