雪が溶けて
凍りついて眠っていた地のいのちたちが
いっせいに目覚めて
尾瀬の湿原に溢れ出ようとしています。
もっとも気の早いのはミズバショウ。
冬のあいだにすっかり準備万端ととのえて、雪の消えた湿原を雪の替わりに白で染めます。
ひとり先に咲き出したミズバショウに時折、リュウキンカの可憐な黄色がよりそっていたりもします。
ショウジョウバカマの淡いピンクも。
傍らでは穴ぐらから這い出してきたばかりのタゴカエルたちが、
独特のガナリ声で求愛の歌を歌い始めていたのでした。
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