雨宿りの軒先


激しく降りだした夏の雨。
たまらず駆け込んだ軒先に
ぶら下げられた玉葱の束。

裏路地の奥は思いがけずに田んぼが広がり
蛙が雨を迎えて歌をうたい始めていました。

さっきまで立っていた表の道からは
いきなり冷やされて沸き立った
土埃の乾いたにおいが流れてきます。

遠慮なく降り注ぐ雨粒が
サンダル履きの足元をどんどん濡らしていくのだけれど
雨雲をやり過ごすだけの間なら
居心地は悪くない、と思うのです。



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