八坂の塔




ずっとむかし

たぶんまだ
あなたが近くにいたころ
ここで念じた約束があったはずだった。

すっかり忘れてしまっていたのに
帳の向こうにそれがうっすら見えてきたのは
いつの間にかまたあなたが側に近づいたからか。

もう少し、

きっとあなたの冷たい息がきこえはじめたら
再びはっきり思い出せるのだろう。


ちゃんと守ることができたかな。

それが気がかり、いきがかり。



「旅のあしあと」で全体をみる

0 コメント:

コメント欄の表示