北摂のトレーニングコース




「故郷は遠くにありて」
などと申します。
少し解釈が違うかもしれませんが、
住んでいた頃はちっとも気付かなかったけれど
離れてみて初めて実感する有り難さというものは確かにありますね。

仕事の拘束から開放されたおかげで
長い間ほとんど帰らずにいた故郷で過ごす時間も増え、
「ああ、僕はいい場所で育ったんだな。」って
人生晩年の回想的な感傷を実感する、

なんて贅沢ができるようになりました。

山間の田園地帯の風景もその実感のひとつ。

昔はただ短調で辛気臭いとすら感じていましたが、
胸をつくような急登があるかと思えば
しなやかなカーヴを描く林道や、谷を流れる清流のせせらぎ
野鳥のささやき、田圃の野焼きの芳ばしい煙の香りなど
実は起伏に富む地形とそれを彩る自然と人の営みが心を癒す
最高のサイクリングコースなのでした。

そういうわけで、
今回は北摂へ帰った時に走るトレーニングコースを紹介してみましょう。




まずはここ。
実家の近所の裏山を越えた先にある、
高台に拓かれた住宅地へ続くいわゆる生活道なんですが
同じ斜度が直線でずーっと続くなにげにキビシイ坂道となっております。

たいがいはコースの出だしに通過する場所なので
ここではウォームアップを兼ねてフォームや
クランクの回転ペースをチェックすることにしていますが、
本気でダッシュしたら
たぶんブラックアウトまで追い込めるんじゃないかと思います。

ホビーライダーな私はそんなことキケンなことしませんけどね。



そこを下ってさらに山ひとつ向こうには
その名の縁起がいいからか、勝負事に関わる人々の人気を集める勝尾寺。
お寺へ向かう坂道はキツすぎずユルすぎず、
結構なハイペースでクランクを回せる絶好のトレーニングポイントです。



山門手前の横断歩道がちょうどいいゴールライン。
手前の100mから若干斜度がアガるというニクイ演出つきです。

一生懸命コゲば呼吸も心拍もアゲアゲになり、
きっとあなたの運勢もアガることでしょう。



勝尾寺のピークを過ぎて道なりに下れば
有名な紅葉スポット「箕面(みのお)の滝」へ至りますが、
途中の分岐を右へ曲がると
ダム前のトンネルを抜けて能勢方面へ向かうことができます。

その道は下り坂のつもりなのに
ちっともスピードが乗らない悪魔のコース。

実は途中から徐々に上り坂になっているというだけなのですが、
部下をイイ気にさせて面倒な仕事を押し付けようとする上司が
ワル知恵を絞ったかのように
微妙な下り坂を交えて上り坂を感じさせないというカラクリが
巧妙に仕組まれています。
おかげで勝尾寺手前でガンバッてしまった足は
さらにボディーブローのようにダメージを蓄積するって寸法です。

その先は・・・
話が長くなるから次回へ、というありがちなカラクリ。


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