ジリジリと肌を焼かれるような強烈な熱線を送り続けていたあの空が嘘のように、思わず肩をすくめてしまうほどの北風を吹き付けるほどに秋が深まってきたこの頃。
定番の奥多摩湖を過ぎ、さらにゆるゆると登っていくと、徐々に上がっていく高度と共に渓流の木々の色も深まっていきます。青梅街道を登るのはおそらく10年ぶりくらいに鳴ると思いますが、その間にデコボコだった道はすっかりきれいに舗装され、知らないトンネルさえも幾つか出来上がってずいぶん走りやすくなっていました。
それほどの急勾配も現れない代わりに平坦路も無い上り坂をのんびりダラダラ、それでもいい加減溜まりっぱなしの乳酸が重い足をさらに重く感じさせ始めた頃、最後の坂を超えるとぱあっと視界が開け、青空にくっきりと浮かぶ富士山のシルエットが眼前に。ここまで景色が変わるダイナミックな峠越えは数ある峠道でもあまりお目にかかることはできないかも、と思えるほどの感動をいただきました。
ジェットコースターを思わせるようなループ橋とトンネルが続く下り坂は、きれいに色づいた山々に見とれすぎないように意識を集中しなければ、とブレーキを何度か握り直している間に苦労して稼いだ高度をあっさりと使い果たし、14時過ぎには塩山駅に着いてしまっていたのでした。
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