IT用語解説集


心境の変化とか、まあそんなタイソウなことではなく
たまには趣向を変えてみようかと。


基本インフラのひとつとなりすでに生活に欠かせなくなった今でも、急速な発展をし続ける情報テクノロジー。
前を向いて走り続ける人々がひしめく中、そろそろついていくのがキビシクなった古株たちが心の中に大事に抱えるセピア色に褪せかけたアルバムのなかから、過去に置き去れて風化しようとしている単語を拾い出し解説してみました。
なお、独断による利己的見解ですので、この解説が一般的に通用することは保証できません。悪しからず。

ブルースクリーン
困ったコンピュータが青ざめて硬直する様。
殆どの場合は電源を入れなおせば再起動するが事前の記憶をなくしてしまう。セーブを怠ったあるプログラマは終業間際にこの画面に出くわして丸一日分の苦役を無にされ、「青が散る。」という言葉を残して失踪したという。
某有名メーカーのOSに固有の現象ともいわれ、そのパッケージはなぜか青色なのだが因果関係は不明である。


^C/^Y
ショートカットキーの複合技で、コントロールC/コントロールYと読む。
キーボードを装備しない情報端末が普及した現在では「コピペ」の呼び名のほうが一般的。
同じテキストを繰り返し打ち込む動作を省力化するために考案されたが、近年では他人のアイデアを借用する行為にも利用されるようになった。
特定の研究機関においてはNGワードとされている。

夜間バッチ
人が寝ている間に溜まった仕事を一気に片付けさせようという、「昼間働いて夜は寝る」健全な生活が当たり前だった時代に編み出されたオフィス・オートメーションの基本技。
当時のコンピュータは、完全に自動化されておらずまた人恋しい性格であったため、帰宅途中の居酒屋や時には疲れ果てて風呂にもはいらず倒れこんだベッドへさえも、容赦なく呼び出しのベルを鳴らしめる行為を繰り返しオペレータたちを震撼させた。
ちなみにベル音を発したのは「ページャー」あるいは「ポケットベル」という名の、居所構わず人を呼び出すことを目的に造られた悪魔のような機械だったが、メールはもちろん「いいね!」のごとき瑣末なポップさえ通知しかつ返答をも迫る「スマホ」に比べればオコチャマのオモチャのようにカワイイ代物である。
現在では昼夜なく働くことが一般化したため、夜中にまとめて処理させることは少なくなったが、証券取引所など伝統を重んじる一部の場所では今でも利用されている。

BIOS
かつてはコンピュータがソフトウエアではなくハードウエアであることを示すためにOSの起動前に割り込みをかけて自己主張していたが、人々がハードだのソフトだのという子供じみた縄張り争いに飽きるにつれ、静かに画面から消えていった。
ただし実態がなくなったわけではなく、黎明期を過ぎた業界が名より実をとるオトナへと成長して「囲い込み」という常套手段を覚え、統合アーキテクチャという名の藪の裏に隠されただけである。
創造的だった頃のコンピュータを懐かしむ一部の愛好家たちが継承する「自作PC」の上で、往時の姿を垣間見ることができる。


ASCIIコード
全角文字の前後にシフトコードの小さなスペースが隠されていたことを知る人にとってはレトロな郷愁の香りが漂う懐かしい文字コード。
2の倍数で表されるコンピュータ世界において7桁という中途半端な規格であったため、余った8桁目が無法化し騒乱の火種となった。
文字を表す他、「ベルを鳴らす」というナゾのコードも存在する。


Undo
「なかったこと」にできる魔法のコマンド。
ただし望んだ未来を手にできるという保証はない。




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