さとりの窓


禅寺の庭へ開く2つの窓。
丸が悟りで角が迷いを表すといいます。


例えば円は、
重心から辺までの距離がすべて等しい
一筆書きの単純な図形に過ぎませんが、
数億キロ先の石のかけらから
砂粒を持って帰ってくるほどの高度な技術をもってしても
真円を描くことは叶いません。

円の周長は常に少数以下が無限に続く無理数であり
人は永遠にその実体を把握することでができないからです。

そのままではどうにも不都合なわけで
仕方なく人は
ムリな部分にπという名前をつけました。


悟りの意味も知らないワタシが
「似ているね」
なんて言えるワケもありませんけど。

ここは鎌倉明月院。

新緑をクッキリと際立たせる陰との境界線は
実はどこまで行っても割り切れない
無限の無理数なのでした。



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