佇まい


しつらえられた飾り机のうえで
しゃんと背筋をのばして
一輪の花を待つ花瓶。
それを照らしだすためだけに
小さく穿たれた窓は
表の簾が柔らかくした陽光を
静かに迎える。

座敷の片隅に残された
切れ端のように小さな場所にも
丁寧に手をかけて
ひとがつくる景色の
佇まい。





















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