丹沢 塔ノ岳

塔ノ岳直下の樹氷。
丹沢山系には海からの湿った風が吹きつけるため、

1500m足らずの山でも
美しい樹氷を見ることができる。

先月に引き続き日本列島には寒波が押し寄せ、寒くてとても自転車に乗っていられません。

でもものは考えよう。

関東平野にも雪が降っているんだから、ここいら辺りの山でも十分雪山気分が味わえるんじゃないかと、久々に山へ行くことにしました。

目的地は丹沢塔ノ岳。

自転車では度々近所の峠を越えてきましたが丹沢の山に登るのはなんと初めてです。
デビュー戦なんで、花道の表尾根を行くことにしました。



ヤビツ峠までのバスに乗ろうと秦野にやってきたら、なんと道路凍結で運休。
しかたないので蓑毛から歩くことに。

ヤビツ峠に着いたのは9時大分過ぎ。
折角5時に家を出てきたのに、山に入るには随分と遅い時間になってしまいました。




低山とはいっても、かなり本格的な雰囲気です。
天気もいいし、雪山は久しぶりなので結構いい気持ち。
でも日暮れまでに大倉のバス停までたどり着けるかちょっと心配。
いざとなりゃヘッドランプもあるし、ま、なんとかなるかな。



鳥尾山の頂上到着。
三角屋根のおしゃれな山小屋。ですが時間はすでに12時。
あまりゆっくりもしてられません。

先着のおじさんがアイゼン履き始めたのでちょっとビビる。




崖のような下り道出現。

「今日はダブルストック持ってるし」なんて思いつつ、実は重いからアイゼン持って来なかった僕は、足をズリズリ滑らせて、ついでに頬もピクピク引きつりらせながら、かなりなヘッピリ腰でおそるおそる降りていきます。

アイゼン履いて快調に飛ばすさっきのおじさんにあっという間に追いつかれ、道を譲ると追い抜きざまに「気をつけて。」と声をかけられる始末。



尾根道途中のお地蔵様も完全防寒。

「山をナメたらいかんよ。」と改めて諭された気分になりました。
いやはやまったく、慢心過信は怪我のもとです。




そんなこんなで、ようやく目的の塔ノ岳到着。
天気がいいので眺望も抜群。いやはやまったく、素晴らしい。



けれども時間はすでに14時半。
ひと通り写真を撮り、キンキンに冷えたコンビニおにぎりを急いで食べたら
すぐに下山開始。ここから麓の大倉バス停まで7kmの下り道です。




丹沢山系は低山帯ですが、富士山を中心とする火山性の地質のためか山肌が脆く、特にこの大倉尾根の登山道は長年大量の登山者を迎えたことで道がえぐれてしまっており、道の大半が材木で階段状に補修されています。

途中、人の気配のする道のすぐ傍でシカが一心に笹の葉を貪っている場面に遭遇しました。

一見のどかな風景ですが、丹沢に限らず広葉樹林の伐採や放棄された広域植林帯の下草増加によりニホンジカが過剰に繁殖しすぎたため、森林植生にも影響が出ているという話を聞きます。本来臆病なはずの野生の鹿たちがこうやって堂々と人前に姿をあらわすのは
飢えた彼らののっぴきならない事情があるのかもしれません。
かなり複雑な気分で、ヒトが山肌まで削り出してしまった山道を下ります。

大倉バス停には17時過ぎに到着。久しぶりに山登り用の筋肉を9時間近く酷使したため、翌日の筋肉痛が予約されたのでした。

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