のんびり走るローカル線〜小湊鉄道



房総半島には、素敵なディーゼル列車が走るローカル路線が三つあります。
木更津駅から亀山へ延びるJR久留里線と、
房総縦断を半分づつ受け持つ小湊鉄道といすみ鉄道です。

それらが走る沿線は
半島の風に波打つ青い稲穂を湛えた水田が拡がる平地や
うっそうとした森に覆われた山間部、
清涼な岩水がほとばしる切り立った渓谷など
都心からほんの1,2時間の距離にあるとは思えない
自然と郷愁のあふれた風景が広がります。

そのどこか懐かしい田舎の風景の中を
ディーゼルを唸らせつつけなげに走る単線列車の姿は
否が応にも郷愁を誘うことでしょう。

鉄道に特別な思い入れなど持ち合わせないワタクシですが、
そんな田舎の風景と郷愁は大好物なのです。

てなわけで、先日旅した久留里線に引き続き、
次は小湊鉄道を目当てにJR内房線の五井駅までやってきました。


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JR線のホームのすぐ隣が小湊鉄道の始発点になっていて
側線には待機車両がずらりと並び、なかなかの壮観です。
普通はここでさっそく列車に乗り込むのでしょうけど、
乗ってしまうと外から列車を眺める事はできません。

そう、今回の目的は、列車に乗るコトではなく
「自転車で沿線を走って列車を眺める」こと。

ん、なんだか鉄ヲタな空気を醸しだしているでしょうかね?

まあともかく、駅を出て自転車を組み立て、
終着駅にむけて沿線の道路を行き
走る姿を愛でることにいたしましょう。


稲穂の海を横切る、まっすぐな線路。

畦道の手入れをしている、
止まったようにゆっくり動くおじさんの草刈り機から
刈られたばかりの草の青い香りが
風にまじって鼻先をくすぐります。

そこへ遠くから甲高い警報音が順々に近づいてきて、
のんびり居眠りしていた目の前の遮断機が
おもむろに音を立てて仕事を始めます。



一時間に一往復の列車が思ったより随分速いスピードで目の前を通り過ぎると
遮断機は億劫そうにアームをあげ、
再び何事も無かったように眠り始めました。


そして通り過ぎていった列車は、
ついその先の緩やかなカーブを回り、森へと吸い込まれていくのでした。


後ろ姿を見送りながらシャッターを切り続けていたら、
あの可愛らしいツートンカラーのディゼルカーのことが
すっかり大好きになってしまっていたのでした。



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