野焼きの煙




収穫の終わった田圃
燃される藁、燻された煙の香り。


「灰になってな、土に戻ってまた来年のお米になるんや。
ありがとう、って言うんやで。」

近所のじいちゃんもおばちゃんも、
煙を見ながらおんなじことを教えてくれた。



稲株の広場で遊ぶ子どもたち。

脇の畑に転がり込んだボールを追う弟に
「畝、踏んだらあかんで」
と兄が声を掛かける。
「もう、種が寝たはんねんから。」

燃やすものの質が変わって
焚き火でさえも禁止の世の中になってしまったけれど、
日々の暮らしにある、忘れてはいけないもの。

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