再び北摂を走る




緑に覆われたなだらかな山と
ひっそりとした村落を背景に、
青々と葉を茂らせる稲田。


生まれ育った地域によってそれぞれのイメージがあるでしょうけれど、
僕にとっては正にこの風景が田園です。

前にも書いた気がしますが、
京、摂津、丹波の境に位置する北摂山地は
古代からの往来で大小の街道はもとより、
農道、林道、私道、はては抜け道のたぐいまで
起伏に富む山地の中を
縦横に人の踏跡が残されてきました。

主要な幹線道路以外は往時の道をそのまま利用したものが多くあり、
突然道路が未舗装になったり、
びっくりするくらいの急斜面に出くわすことがしばしばあります。



例えば、萩谷から二料へ抜けるこの「地獄谷峠」。
登り口から1km弱は20%を越える急勾配で
高度150m以上を一気に登る急坂です。
登坂に目覚めた昨年来、いろんな坂道を登って戻って来ましたが、
「やっぱりこの坂はキツい」と改めて思わせてくれました。



それから、これは能勢から茨木へ抜ける道の途中にある猪ノ坂峠。
道というのはれっきとした府道ですが、
なぜだかこの辺りの2kmほどは見てのとおりのオフロードです。

この猪ノ坂峠のすぐ西側には
側室に召されて嫁ぎ先の能勢から福原へ向かう道すがら自害したという名月姫の伝説を
その名の由来にもつ名月峠がありますが、
横恋慕した相手というのが平清盛だというのですから
この道の歴史が推して知られます。
未舗装のまま残されているにはそれなりの理由があるのかもしれません。


そこからしばらく進むと
九十九折の登り坂を越えた先に穿かれた野間トンネルに出会います。




ここは、地元では割と知られたいわゆる心霊スポット。

山深く薄暗い九十九折の坂の先に現れる小さなトンネルとくれば
それだけで不気味とも言えますが
少し下った場所に「しおき場」と呼ばれる刑場もあったそうなので
条件揃ってるってわけです。


今回はお盆帰りのついでに北摂を走りました。
せっかくですので、もう何本かやっつけてから、東京へ戻ろうかと思います。

麦草あたりからリアハブがギシギシ音鳴するのでちょっと気になってますが。


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