朝目が覚めたら、春でした。
窓を開けると、昨日まで冷たくて連れなかった風がすっかり柔らかくなって真っ青な空から春の香りを運んできました。
これはもう出かけるしかありません。
朝食もそこそこに身支度を整えて自転車に跨り、走り始めました。
特に計画はありませんが、こんな日は河川敷で春風を感じてみたいですね。
そこで向かった荒川は、そういえば右岸ばかりしか走った事がありません。
今日は気分を変えて、反対側の左岸を遡上することにしました。
船堀橋を途中でくだり、左岸沿いを走る高速の真下に降りていきます。
荒川の右岸は道幅の広いしっかりとした舗装路が続く、たぶん東京近郊ではもっとも走りやすいサイクリングロードで、平日でもたくさんのローディーたちで賑わっています。
そちら側があまりにも有名だからだでしょう、反対側のこの左岸はやっぱり人気がありません。ルートも少し分かりづらい場所があって、時々川沿いを離れる必要があります。
実際、何度か迷ってしまいました。
けれど、所々でこぼこですが意外としっかり走路が確保されています。ローディー密度が薄いぶん、こっちのほうがのんびり走れるかも。
土手沿いの斜面で、近所の保育園の子供たちが草すべりで歓声をあげています。
今日は重たい上着を着る必要はないからね。
春の幸せでのどかな光景ですが、あいにく風は北風、向かい風です。
でも、暖かくなると風も軽くなります。
(気温が上昇すると空気密度が薄くなるので抵抗も少なくなるというのは本当らしい。)
自分のペダリング技術が向上したのかと勘違いするくらい、今日はペダルが軽く回ります。1時間半で戸田までたどり着いちゃいました。
左手にヤクルトスワローズ二軍の本拠地 戸田球場。
選手たちはもちろん、上へあがろうと必死でトレーニングしているんでしょうけれど、気候のせいでなんだかのんびり楽しそう。
気がつくと、いつの間にか風向きが南風に変わっていました。
温い春風にのって、うらうらお日様に照らされながら気持よく走っていると、土手の下に気持ちよさげな公園が見えてきました。
ここは最近完成した広大な調整池。
「荒川」の名は、度々氾濫した暴れ川にちなんでつけられたに違いなく、その下流域に洪水を気にせず住んでいられるのは地道な治水政策にあることを気付かされます。
その調整池のさらに北側にある田島ケ原。
広い野原一面に、野生のさくら草が群生しています。
さくら草なんて花屋さんで普通に苗を売ってるくらいポピュラーで公園や庭先でよく見かける花ですが、実は野生種はほとんど絶滅してしまいこれほど大規模な群生が見られる場所は希少だそうです。
「国定天然記念物」という仰々しい石碑が建っておりました。
鮮やかな緑色の株から可憐な桜色が顔を出すのはもう少し先。
見頃は4月の中旬だそうです。
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