夜明けをまたず四時に出発。
ヘッドランプを頼りに真っ暗な山道を一人ひたすら登る。荷物はPCとかipadとか一眼レフとか、欲張って持ってきたので背中の荷物は20kgを軽く超えていた。
当然遅い。思ったよりずっと。
足元を照らすのがやっとの明かりを頼りに、ただ次の足の置き場所を探して踏みしめ、そこが確かな足場であることを確認してからまた次の一歩を探す。
そうやって一歩一歩、肩に食い込むザックの重みに耐えながら果てしなく続くと思われるような歩みを繰り返していると、徐々に思考が停止してゆく。
まるで自分が刻む足音のリズムで自己催眠にかかったよう。
2時間歩き続けてふと顔を上げた時、めざす山頂が朝焼けに輝いていた。
ああ、あんなにも神々しく美しいなんて。
「きっと、この気持を忘れないでいよう。」
たぶん、下界へ降りればすぐに忘れてしまう誓いを、そうと分かっていてもたててしまう僕なのでした。
0 コメント:
コメント欄の表示