松江の宿



初日の宿は松江の寺津屋さん。



レトロな香りが漂う民宿、朝食付きで 5,000円以下で泊まれます。

施設は古いですが奇麗に掃除してあり、ご飯がおいしい。ご家族で切り盛りされているのですが、皆さん話好きで、いろいろな場所から遊びに来た方々と会話されているので、とにかく話題が豊富です。一人旅には最適といっていいでしょう。

そしてこの宿には、普段はあまりお目にかかれない面白い方々が多くやってこられるようです。私が泊まった日も、イングランドからのバックパッカーの若者2人連れ、スペインから3週間のバカンスでやってきた日本縦断中のお姉様タッグ、就職に悩む日本の若者、小泉八雲のレポートを書くためやってきた可憐な女子大生など、バリエーションに富んでいました。

宿の夕食を頼んでいたのはスペインのお姉さん方と僕だけ、必然的に会話が始まります。
「松江なんて割とマイナーな街に来るなんて、珍しいね、」って言ったら、
『めずらしいなんて事はないわ。日本にはすばらしい場所がたくさんあるじゃない。わたしの友達なんて、一人で四国の四十八カ所巡りを歩き、スペインで本を出したのよ。』と答えが返ってきました。

おお、さすが情熱の国、なんとキアイのはいったお姉さんたちでしょう。モンキリな質問をしてしまったアタシは恥ずかしくなってしまいました。

『ところでわたしたちホジに行くんだけど、いいところ知ってる?』
『ホジってどこ?僕は日本人だけどそんなとこ知らないよ。』
『ほら、セラミックで有名な』
『えぇ、有田の事?そりゃ関西じゃなかったかな?』
『ちがうわよ、面倒ね、今地図とってくるから』

部屋まで行ってでっかい日本地図をもってくると、
『ほら、ここよ。』
指差す先は、山口県のあたり。
『ああ、ホジじゃなくてハギね。ここには有名は秋芳洞って鍾乳洞があるよ。』
『なにそれ?』
うーんと、鍾乳洞って英語でなんて言えばいいんだ?

宿のご主人がよこからすかさず『That is Cave Adventure!』。
おお、おみごと。

こんな感じでお酒も飲まないのに会話が弾み、思いがけず楽しい時間を過ごす事ができました。

そして翌日の朝。その宿のご主人が、今度はイングランドのバックパッカー二人にお茶の作法を教えてらっしゃる。

なんと茶筅やら赤絨毯やら、準備はかなり本格的。

"Take right hand."

茶碗をまわす仕草をしながら、

"Turn right twice."
"Aaand, Drink."

お茶をすすり終えると、神妙な顔つきだった二人から、笑顔がもれます。
おお、これぞ国際交流、これぞ日本のおもてなし。

ご主人は思いやりと人柄で、どんな国のどんな言葉の人とも会話出来ちゃうそうなのです。

松江にお寄りの際には、ぜったいおすすめの宿屋さんですぞ。

リンクはこちら→旅館 寺津屋
ちなみに僕も、このページにでてる赤いセレナでわざわざ駅まで送ってもらいました。
ありがとうございます。
始めにいい宿に泊まれたから、きっとこの旅はいいものになるでしょう。

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