京都鉄道博物館

上り列車に乗って京都に近づくとほんの束の間、北側の車窓からSL機関車の勇姿を望むことができます。
それは梅小路の扇状車庫で、ターンテーブルで線路もろとも機関車の向きを変え全車前向きに駐車できるというイカしたギミックがついていました。 少年時代の純真なボクは窓ガラスに吸い付くほど顔を寄せて「いつかあそこへ行ってみたい」と眺め憧れていたのでした。


いつしか時は流れ、通学で日常的に列車を使うようになってからはかつての憧れも色あせて、車窓の外側へ目を向けることさえ少なくなっていきました。やがてそのまま関西を離れて幾年月、あの梅小路は閉鎖された大阪の交通博物館を統合し「鉄道博物館」としてリニューアルされていました。

休日に帰郷して数日過ごしたある日、なんとなく眺めていた車窓に懐かしい車庫の姿を見つけてあの日の願いをまだ叶えていないということを思い出し、その足で博物館まで行ってきました。「今さらね。」という醒めた気持ちも抱えながら。


ところが「suicaが使えるのね。」とちょっとニヤけながら購入した入場券を手にゲートをくぐって数歩も歩くと、そのニヤケ顔がすっかりニコニコ顔に変わってしまっている自分に気づき、我ながら驚いてしまったのです。


0系新幹線、食堂車、寝台特急。昭和の駅の再現コーナーや券売機の変遷、おまけに大規模な鉄道ジオラマ。制服や記念きっぷ、改札鋏などの小物までがズラリと並んでいます。

ボクは鉄道オタクでもなければ鉄道好きですら無いと自分では思っていたのですが、たくさんの機関車や列車に囲まれて、かつてそれらに憧れていたこと思い出し、その幾つかには実際に乗って旅したという懐かしさも重なって、想像以上に気分はアゲアゲ、それはもう楽しい時間を過ごさせてもらったのでした。

いやはや、「鉄道」侮るべからず。
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