いのちの樹


行儀よく立ち植えられた杉林の檻の中から
外の光を求めてもがくかのように
四方へ枝を伸ばす天然杉の巨木。

山間を縫うように走る県道から
ほんのちょっとだけ外れた場所の
伐採され植え替えられた植林の山で
どういうわけだか生き残り
ひとり異彩をはなつ。

無秩序に突き出し
不気味とも見える
曲がりくねった枝ぶりからは
なりふり構わず生きようとする
生臭い、いのちの力がほとばしる。

推定樹齢800年の
大沢の杉。


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