天狗が棲むといわれた鞍馬の山へ向け
京都市街から伸びる単線路の上を
コトコト走る叡山電車。
世界中から集まる観光客で賑わう鴨川沿いの駅を発すると
すぐに鄙びた田舎の風景にかわり
やがてびっくりするくらいの山道にいたります。
市原駅から二ノ瀬駅にかけて
線路をおおうばかりに生い茂る山の木樹の中を
走り抜ける区間があって
それが今頃の季節になるといっせいに色づき
もみじのトンネルが現れます。
日が沈むとこの区間はライトアップされるのですが
ここを走る間だけ、車内照明を落とす演出がなされます。
紅葉の色が車窓に浮かび上がり、それが流れるように巡る様は
まるで万華鏡の中にいるような幻想の世界。
乗り合わせた乗客は、いっせいに感嘆のため息をもらします。
京都は一年でもっとも混雑するスーパーハイシーズンに入り
まあ何処へ行っても人混みだらけでうんざりですが
「それでも見たい」とついつい足を向けてしまうのが
ちょっと悔しいとこですね。
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