故郷の名勝 摂津峡


ずいぶん前に亡くなったじいちゃんは
ここを「ヤバケ」って呼んでいて

それはどうやら大分にある耶馬溪みたいだ、ということらしく
なんでわざわざ九州の景勝地を引き合いに出すのかはわかりませんが
「なんや、ようするにここはニセモノかいな。
そういえば、えらいチッチャイしなぁ。」
と、ちょっとガッカリしたものです。

大人になっていろんな場所へ出かけていって
改めて帰ってきてみると
ここは素晴らしく美しい場所だったんだと
ようやく気づくようになりました。


渓流の美しさは言うにおよばず、
ここで沢瀬の渡り方や釣りの楽しさを教えてもらいましたし



山歩きや飯盒でメシを炊くってことを最初に覚えたのも
渓谷の裏山でした。


あのころテントを張った
雨が降れば泥だらけになる広場しかなかったキャンプ場は、
いつの間にか立派なログハウスが建つイッパしのアウトドア施設になっています。


もみじ谷って可愛い名前がついた小さな谷は
紅葉の頃には見事な色づきを披露してくれます。


ここはお隣の京都や本場の耶馬溪みたいに
人だかりはできやしませんから
秋の色をひっそりのんびり、楽しむことができるんですよ。


ところで、
この渓谷にある、以前「白糸の滝」とご紹介したこの滝ですが、
ホントの名前は「白滝」というそうです。

今の今まで、ずっと間違えて呼んでいました。
きっと、富士山麓にある例の滝の名前を勝手につけて、そう思い込んでいたのでしょう。
「ヤバケ」と言ったじいちゃんを笑えないな、
と、ひとり反省しつつ
故郷の名勝、摂津峡のご紹介でした。

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