グランフォンド八ヶ岳


ただでさえ爽やかな初秋の風が
さらに爽やかになる八ヶ岳高原で
前日の雨に洗い上げられて
ますます爽やかな青空の朝。


その爽やか三乗な早朝の空の元あつまった
大勢の自転車フリークたち。

高低差2000m、距離107km。
八ヶ岳高原を爽やかに駆け抜ける
グランフォンド八ヶ岳のスタートです。



スタート地点がすでに高地のため、
ルートは始めから下り基調。
大きく螺旋を描くように蛇行して
雄大な高原を巡りながらどんどん下り
その下った分の高度を最後にまとめて登り返すという
行きはヨイヨイ帰りはコワイの
イジワルなコース設定となっております。

ただ100kmの距離にエイドはなんと7箇所もあり
そのすべてで何かしら食べ物が配られます。
さらにゴールの門限は17:00とかなりの”ゆとり”。
キビシイルート設定は
のんびり走ってもキチンと難コースをクリアして
その充足感を味わってもらおうという
主催者の優しいオモテナシのココロと解釈すべきでしょう。


最大10時間もかけれる余裕の時間設定だから
ゆっくり走ればいいんです。

ところが、
ゴチソウを前にしたイヌのシッポのごとく
ウレシクなるとペダルの回転速度が上がるのが
自転車乗りのサガのよう。
レースでもないのに
本気モード、スイッチオンの参加者たち。


わざわざ沿道に出て見守ってくれる
地元の方々のあたたかい声援。
地域ぐるみで開催されるイベントならではの
うれしい光景です。

ちっちゃな手を一生懸命振りながら
「がんばれー」
なんて言われたら
そりゃガンバりたくなりますわね。


日が昇気温とともに雲たちも活気立ち
肝心の八ヶ岳を覆い隠してしまいましたが、
元々の天気予報は雨でした。
雲の切れ目からでも富士を見れるんだから
今日はホントにラッキーでしょう。


時間があるから、エイドではのんびり座り込んで
おしゃべりしたりして、ついつい長居。


エイドに置かれた食べ物は、
あらかじめ配られたチケットと交換するシステム。

貧乏性の僕は、せっかくもらったチケットを使い果たすべく
全部のエイドに止まったのでした。




さて後半に待ち構えるのはひたすらの上り。

落ち葉からたっぷりと栄養をもらった腐葉土と
生い茂る木々の呼吸が織りなす
あの「山」にある独特の懐かしい香りが、
酸素を欲しがって激しく呼吸する肺を満たします。

辛いはずの足と心肺にかかる負荷が
なぜだかココチヨク思える、
これこそ自転車の魅力。



最後の長ーい坂道を登り切ると
ラストまで少しの間下り坂のご褒美。
涼やかな秋の風を頬にうけ、
登りでかいた汗をすっかり乾かしてからゴール。

ラックに自転車を収め、芝生にぺたんと座り込んで
じんわりと筋肉にしみわたる疲労感を癒やします。

見渡してみると、参加者はみんな同じような笑顔。
同じコースを走ってゴールした人たちと
不思議な共感をわかちあうことができます。

こうして他人同士が屈託なく笑いあえる、
これがロングライドイベントのいいところなんですね。


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