2012佐渡ロングライド




野生孵化の一報以来、ヒナが餌を食べるというごくあたりまえの映像さえニュースになる佐渡。


地元はよほど熱狂しているものだと思ったら、客船ターミナルに並ぶ商店の店先と旅館の入口に控えめなシールが貼ってあるくらい。

同じ中国渡来で大騒ぎしている山手線内の大動物園とは随分様子が違っています。

それがオリに入った人寄せパンダと絶滅種を再度野生化させるための地道な取り組みとの差なのだというと、相応のご苦労をなさっている動物園の飼育員さん方に失礼になってしまいますね。

さて、佐渡に来たのはトキが目的ではありません。

ここで毎年開催される自転車乗りの一大イベント、「佐渡ロングライド」に参加するためです。
美しい海に囲まれた島をぐるりと一周、210kmを自転車で廻るステキな企画なのですが、あまりの人気のためか、あるいはリタイアが多いためか、今年から
「初参加の人はイキナリ210km走っちゃダメ。」
って決まりができて、昨秋から漸く人並みに走れるようになった私は仕方なくハーフコース(130km)に甘んじることとなりました。

まあ距離が短いぶん景色と雰囲気をゆっくり味わうことができると思えば、これはこれで楽しいものです。

ハーフといってもスタート時間はフルコースとさほどかわらず、朝5:30集合の6:30発。

おまけに僕はスタート地点と反対側の港に宿をとったので、15kmほど自走する必要があるので日の出と共に出発です。




佐渡もやはり日本有数の米生産地 新潟県の一部です。あちこちに美しい水田が広がっています。
今日の晴天を約束する朝焼けがその水田を赤く染める中、少し冷たい朝の空気を頬に感じながら、スタート地点へむかいました。



今年の参加者は各コース合わせて3,500人余りだそうです。
先月の伊吹山でもそうでしたが、全国から集まったジャージ姿のもの好きたちがズラリと整列する様は圧巻です。
10人づつのスタートなので、なかなか順番が回ってきません。
せっかく宿から走ってきたのに体が冷えて寒くなりはじめました。この時ばかりは大人数がうらめしい。



ようやく出発。
車道はきれいに舗装されていて実に走りやすい。
「ゆっくり巡ろう」という当初の目論見はどこへやら、ついついスピードが上がります。
ま、130kmなら途中でバテる心配もないでしょ、
などとタカをくくれるのは余裕のある今のうちだけと分かっているんですけどね。



沿道には、地元の方々が待ち構えて「がんばれー」と手を振ってくれます。
物好きが好きな自転車に乗っているんですから、ちっとも「ガンバッテ」などいないのですが、こういう応援をされると不思議なもので、つい頑張る気になってしまいます。
で、レースでもないのにまたスピードが上がります。



だいたい30~40kmごとにエイドステーションが設けられ、バナナやオレンジ、たまにおにぎりの補給が受けれます。
これがロングライドイベントのいいところ。無視して通りすぎるのは勿体ないので全箇所止まることにしました。
どこでもおんなじメニューだとちょっと飽きちゃいますかね。いいえ、ちゃんと食べとかないと後でひどい目に遭うのですよ。



海岸沿いの道は殆ど平坦ですが、たまに坂道に出くわします。
有名な「Z坂」は、ほんと、Zの形していて笑っちゃいました。
山道に比べれば随分と控えめなもんですが、平地と思って走っているとあの標高はちょっとショックかも。



海岸線に切り立つ巨大な岩石をダイナミックに繰り抜いたトンネル。

出口を照らす明るい陽光と影のコントラスト。



このイベントに参加している人たちは、やはりソレナリに健脚ぞろいなわけです。
前を行く人のペースに合わせて、やっぱりついついスピードが上がってしまいます。



丘を越え~♪ 遙かに続くような道。
天気もいいし風も弱い。今日は最高のサイクリング日和じゃないですか?



あっという間に、両津BS、100km地点。
おけさ太鼓で盛り上がってます。

BSって、ベントーステーションの略だそう。そう、ここでお弁当がでるのだよ。
楽しみ楽しみ。



って、これだけですか?
美味しいんですが、カロリー足りません。
ほら、やっぱりエイドステーションでちゃんと食べとくべきだったでしょ。

僕はハーフコースなので、ここからは内陸を30km。
楽しみのお弁当は食べてしまったし、エイドステーションはもうありません。
目の前のニンジンがなくなって、気力とスピードが一気にダウン。

というか、調子に乗って飛ばしすぎました。かなり疲れてます。
内陸部の道は、登っては降りの細かなアップダウンを繰り返す洗濯坂。
え、ちょっときついです。



で、最後はヘロヘロしながらゴールにたどり着きました。


でもね、ゴールからまた宿へ帰んなきゃいけないんです。

この15kmが今日一番きつくて、ちょっと泣きがはいりましたとさ。


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