柳谷観音のあじさい




「千年の都」京都市街は山と川
天然の要害に囲われ守られていると言いますが、

桂川を越えるあたりから
急激なせり上がりを見せる西山は
さながら都の西の城壁であり、
ここを登るにはどこからであろうと
急坂を覚悟しなければなりません。

その急な坂道のひとつ、柳谷道を
ひと苦労して分水嶺まで登りつめた場所にあるのが
柳谷の観音様。

梅雨時のいまごろは、境内を埋める紫陽花の淡い色が
登りの苦労を癒してくれます。



山中にも関わらずその境内は以外に広く、
本堂からさらに登って奥の院まで続きます。

ふたつのお堂をつなぐ回廊は
「あじさい廊下」と名付けられ、
両脇を紫陽花の群落に囲われており
渡りながら梅雨の風情を楽しむことができます。




6月の最終週はあじさい祭りとのことで
本堂で庭を眺めながらお茶を頂けるようでしたが




座礼と共に給仕される抹茶に
慌ててお辞儀を返す様が微笑ましく



一方では形式張った堅苦しさを嫌う
我が身の勝手と知りつつ、
所作に込められた心を忘れずにありたいと
しばし思うのでありました。




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